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zoom RSS 身代わり伯爵シリーズ二次創作9

<<   作成日時 : 2010/01/23 21:07   >>

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今まで、詳細な描写というものを避けて文を書いていました。
しかし、先日身代わり二次で、あっさり二人のキスシーンを書いてしまい、個人的に大ショック。。。だって、二人のキスはもう少し大事に書こうと思っていたのです。
と、いうことで個人的にリベンジと言うかチャレンジというか。ちゃんとキスシーンを書いてみます。
シアラン完結後設定です。しかし恥ずかしい出来です〜。あー新刊気になるなー!←逃避



『kiss』




 「すみません。今は近づかないほうがいいですよ」

 ドアを開けるなり部屋の奥のリヒャルトに言われて、ミレーユはしばらくきょとんとした。
 忙しい未来の旦那様とは毎日顔を合わせるのも難しいけれど、この間会ったときには、いたたまれないくらい、たくさん照れてしまうようなことを言ってくれたのに。
 どうしたのだろう。数日会えなかったので、特に喧嘩もしていない。じわじわと不安になったミレーユは、その場で立ち尽くしたまま考えた。
 これって、恋愛的に危機的状況…?どうしよう。あたしはこんなに好きなのに、リヒャルトはそうじゃなくなってしまったのだろうか?
「…どうして?」
 やっと出た声は震えていた。それを自覚すると目頭が熱くなる。ぼんやりした視界のなかで、リヒャルトが慌てたように顔を上げるのが見えた。
「もう、あたしのことキライになったの?」
「違う、違います。そうじゃなくて、ああ、泣かないでください。あなたを嫌いになるわけがない」
 足早にリヒャルトはミレーユのもとまで近づいた。けれど、いつものように抱きしめてはくれずに、手を伸ばせば届く程度の距離があった。
「だって、久しぶりなのに。会いたかったのよ」
「すみません、言い方が悪かったです。俺だって、すごくあなたに会いたくて仕方がなかった」
「じゃあどうして?どうして近づくなって言うの?」
 リヒャルトの手が伸ばされかけ、しかし躊躇ってまたおろされた。そして抑えたため息とともに、リヒャルトは言う。
「切羽詰まってるんです」
「…?どうしたの?何かあったの?」
 もしかして職務のなかで大変なことがあったのかと、ミレーユは緊張して尋ねた。涙も同時に止まり、はっきりした視界では、しかし、苦しそうな顔をしたリヒャルトが首を横に振る。
「あなたのことです。ミレーユを好きすぎて、何をするか分からない」
「え…?」
「本気で余裕がないので、しばらく落ち着くまで距離をおいて欲しいんです」
「よ、よく分からないけど、リヒャルトはあたしのことが好きなの?」
「当然です。あなたが俺を嫌っても俺があなたを嫌いになるわけがない。だから、大事にしたいので、頼むから離れ…」
 リヒャルトの言葉の途中だったが、思わずミレーユはほっと笑う。
「良かった…!あたし、こんなに好きなのに、リヒャルトに嫌われたらどうしようって思って」
「………ミレーユ」
「あっ、ごめんね。今日は帰ったほうがいいのよね。それじゃあ」
「…駄目です」
 きびすを返そうとしたミレーユとの距離を急にリヒャルトは詰め、力強い腕をミレーユの肩と腰に回し、きつく抱きしめた。離れろと言われたのに何なのだろうと目を白黒させつつも、やっと感じる彼の体温がミレーユを安心させる。
 しかし、それも束の間だった。片方の手のひらで優しく、けれでも強引に顔を上向かされると、リヒャルトの声を睫と頬に感じる。
「もう限界だ。…あなたが悪い」
 視界が暗くなり、とっさに目をつぶったとき、荒っぽいキスを受けた。
「んっ」
 びっくりして声を上げようにも、きゅっと自分で固く唇を閉じている上に、リヒャルトの唇が強く押しつけられているから、意味ある言葉にはならない。キスにまだ慣れないミレーユは、それでも何とか応えようと、精一杯暴れるのを我慢した。
 恥ずかしい。好き。怖い。愛しい。逃げたい。でも、もっと。
 ぐるぐると様々な感情がせめぎ合い、ミレーユの心臓を跳ねさせる。
 リヒャルトは少し離しては角度を変え、幾度も幾度もミレーユの唇の感触を確かめる。訳がわからなくなってきたミレーユは、自分を支えるためにぎゅっと、傍のリヒャルトの服を掴んだ。
「んん…っ、ふぁ…」
 耳にした声は自分のものでないみたいに頼りなかった。こんな自分は知らない。
 そして、こんなに長く無茶苦茶に自分を求め続けるリヒャルトも。
「…や、リヒャルト」
 なぜか怖くなって、ミレーユが胸を押すと、やっとリヒャルトが唇を離した。
「もう、やめ…」
「すみません、」
 静かな声で囁かれて、そのまま解放されると思った。なのに。
「まだ足りない…」
 予想に反し、また荒々しく口づけられる。口づけと口づけの間隔が狭くて、息をするのも忙しない。僅かな隙を見つけて息継ぎのために口を開くも、それを待たずにリヒャルトはキスを続ける。歯が軽く当たり、羞恥に身じろぎするミレーユを思い切り抱きしめて、リヒャルトはそのまま舌をミレーユの口腔に差し入れた。
「…っ!?」
 初めての感触に困惑したミレーユが、何が起こったかを理解したときには、彼女の舌はリヒャルトのそれと絡み合っていた。時折立つ水音が、ミレーユも知らずに漏らす声と混じって、二人きりの室内に響く。ミレーユは泣きそうになりながら、それでも口を閉じようとはしなかった。
 リヒャルトはミレーユの口腔を思う存分に犯し、その間にミレーユの強張っていた肢体は徐々に抵抗を諦めていく。ついに立っていられなくて、背後のドアに体をもたれかけたミレーユを、リヒャルトは自分とドアとで押しつぶすように口づけをしたまま抱きしめた。
「…ん、はぁ」
 長いキスのあと、やっと唇を解放されると、細い銀糸が伝い、途切れ、ミレーユの口元に冷たい感触を与えた。それをリヒャルトは舌先で舐めて拭い、そっと尋ねる。
「…大丈夫ですか?嫌、でしたか?」
 声が優しくて、だからミレーユは彼を好きでもいいのだと安心して思えた。こんなにドキドキしているのも、こんな風にされて嫌だと思わないのも、おかしくないのだと。
「…すごくびっくりして、酸欠になりそうだし実際クラクラしたけど、…嫌じゃなかったわ」
 多分、リヒャルト以外は駄目だ。リヒャルトだから嫌じゃなかった。
「良かった。…いきなりすみませんでした」
 リヒャルトが体勢を変え、ミレーユに代わり自分がドアに寄りかかり、ミレーユを改めて抱きしめる。ミレーユが頬に感じる彼の体温も、背中に回された腕も、今はただ優しい。
「ううん。…だから離れてって言ったの?」
 安心しきって、ミレーユは体重を預ける。リヒャルトは少し照れ笑いの表情を浮かべて恋人の質問に答えた。
「ええ。結婚前に嫌われるようなことはしたくなかったし、箍が外れたあとで自制しきれる自信もなかったので」
「え?私、絶対リヒャルトを嫌いになんてならないわよ!どうしていいか分からなかったけど、教えてくれたら大丈夫よ。ああいうときってどうするものなの?」
 無邪気なミレーユの返事に、リヒャルトは眉を下げた。
「いやあの、ミレーユ頼みますから。今だって結構頑張って止めたので、そんなこと言われると歯止めがかからなくなるのでやめてください」
「歯止め?」
「これ以上は、本当に。…それともそんなに続き、してほしいんですか?」
 冗談めかして言われて、けれども覗きこんだ彼の目が熱を孕んでいて、ミレーユはとっさに首を振っていた。きっと乙女の防衛本能だ。
「い、いい!大丈夫!」
「分かりました」
 少しだけ残念そうに笑うリヒャルトは、まだまだミレーユの分からないことを沢山言わずにいるのだろうけれど、でもきっと嫌いにはならないし、もうすぐ結婚して、それから先もずっと幸せでいられるのだろうとミレーユは信じている。
「では、続きは初夜で」

…多分、きっと。



(終)




懺悔
身代わり二次でこんなもの書いてすみませんすみませんすみません!
ただキスするだけなのに、こんな長くてまとまりなくて本当に相馬にピンク向いてない!


一応2通り書いて、ぬるいほう載せました。
うちの基準的にこれがギリ…!

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
新作を拝読させて頂きました。

こほん、と一拍おいて・・・。

きゃー!
何ですか、これ!素晴らしいじゃないですか(笑)!
読んでて興奮しましたー(笑)!
これなのですね!相馬さまが仰っていた「微ピンク」話というのは!
私的に、ぬるくない方の話も気になります(笑)!

この度、相馬さまと同じテーマ「甘い話」を描いてみましたが、やっぱりお師匠様の足元に及ばないことを自覚致しました・・・!orz
ミレーユが可愛すぎです!
リヒャルトの気持ちがいたい程、分かります(笑)!
気持ち玉も「ナイス」が多くて、皆さん何て正直な・・・(笑)。
とにかく雑誌と新刊発売前に、二人のラブラブ話が読めて幸せでした!
多分、何度も読みに来ると思います(笑)。
ニヤニヤしながら、これからベッドに入りたいと思います。
嬉し恥ずかしラブラブ話、ありがとうございました!
sakura
2010/01/24 04:07
リヒャルト大丈夫かなあ〜大公なのに(苦笑
新刊 本当に楽しみですよね♪ 無邪気さでどんどん味方を作っていくのがすごいですよね、ミレーユ。ちょっと先の二人、という感じでほほえましく読ませていただきました。ありがとうございます。
じゃが
2010/01/24 11:16
コメントと拍手玉ありがとうございます!
おおう、今回は「かわいい」より「ナイス」を沢山!…な、ナイスでした???

>sakuraさま
コメントありがとうございます、お師匠様!
そうです、微ピンクのぬるめのがこれです。もう一個もぬるいのですが、こちらよりはもう少し赤みのあるピンクでした(笑)
sakuraさまの更新のはやさと、糖度の高さに触発されたものの、やはり相馬には越えられないハードルの高さでございました…!
ぬるくないほう…。うーん、あまりにも更新するものがないときにこっそり晒すことにいたします。だって恥ずかしいんです〜、相馬が。
今、初夜直前の二人を書いてみたので、どうぞそちらも併せてご覧ください♪あ、微糖です…。

>じゃがさま
コメントありがとうございました!お仕事大変そうですがいかがお過ごしですか?
大公なのに…確かに大丈夫でしょうか(笑)
この話は当社比ピンクでしたが、今日またいつもの感じで書いてみたので、そちらも電車を待つ間のお暇つぶしなどにご利用くださると嬉しいです♪
すみません、「はじまりから〜」の更新できてなくて…。なるべく伯妖も更新していきたいと思います。また来月になってからしばらくしての更新になるかと思いますが、お待ちしています!
相馬つかさ
URL
2010/01/24 21:29
もう、胸がキュンってなりっぱなしですよ〜〜。かっこいいです〜〜。!!続きを期待してます★
もこな☆
2010/03/07 13:08
もこな☆さま

はじめまして!おいでくださったばかりか、コメントまでありがとうございます!

書いているつかさは、実はキュンとできるものが書けているのか分からないので、そう言っていただけると安心しますし、嬉しいです(^^)
つかさ
2010/03/09 00:19

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