身代わり伯爵二次創作21
こんばんは。身代わり伯爵の新刊、公式発売日まであと少しですね!相馬は本日フラゲして参りました。一昨日辺りからあるところにはあったようですね。
さて、シアランに旅立つ前に、今回の『禁断の恋の手記』というタイトルから妄想した文を書き逃げします!ツイッターのほうに一週間ほど前に呟いたものに、加筆修正をしたものです。また、リヒミレのラブラブ話ではありません。フィデリオさんの話です。
『フィデリオのある日の日記』
木を見上げ、眺めてから、その令嬢は指先を枝に伸ばした。緑美しい季節、赤い実に戯れようとしている姫君。
それは実に絵になる美しい光景で、思わず見とれた俺は、照れ隠しとそんならしくないことをさせられた意趣返しに、声をかけた。
「それは食べられませんよ」
気取った貴族のお姫様なら、そんなつもりではないと怒っても無理のない言葉だった。それなのに、彼女は花開くような笑顔で振り返った。
俺は思わず、息を飲んだ。
陽光に金の髪が透けてきらめき、その髪に縁取られた、愛らしい顔立ち。瞳はシアランの海の色で、そこには心からの親愛の情が浮かんでいる。何よりも、生き生きとした笑顔が、いつも見ているような澄ました貴族のお姫様と全然違っていて、鮮烈だった。清らかで、あたたかくて、心がすっと軽くなるような。
けれども、その笑顔を見られたのはほんの少しの間だった。
俺を見つめた彼女は目を見張ると、表情が見る間にこわばり、俺が動けずにいる間にさっと風の妖精のように走り去ってしまった。そう、彼女はまるで春風だった。
落ち着いて考えれば、彼女の正体はすぐに分かった。けれども俺は、一瞬本当に妖精に会ったのかと思った、その印象と衝撃を今もぬぐい去れずにいる。
それほど無邪気で愛らしく、それでいて透明感のある少女だった。
彼女こそ、アルテマリスから来た、従弟の婚約者だ。彼女のような姫がエセルの相手で良かったと、そう思う。
それ以上は考えまい。
(終)
……と、いうことで、フィデリオさんとミレーユが出会った前巻のシーンで、もしもフィデリオさんがミレーユに懸想していたら!?という設定で妄想してみたのですが、い、いかがでしょうか…?
もう一つ、ふと思いついた超短文も載せておきます!すみません、今回の更新全然甘くなくて……。これもリヒミレではありません。
『約束』
初めて会ったその瞬間、一目で虜になった。何故かと言われればいくらだって彼女を賛美できるが、理由なんてただの後付けに過ぎない。
ただただ、その人に憧れた。その人のようになりたいと思った。
彼女の言葉通り、彼女に子供が産まれたら、絶対に仲良くなるんだと、絶対に力になってあげるんだと、子供心に誓った。
けれどもそれから13年経ったあの日、彼女の最初の子供である彼は、とても傷ついていて、誰も信じようとはしなかった。
政変の知らせを受けて、コンフィールド側では彼を必死で探した。
大怪我をしてやっとコンフィールドまで逃げ延びてきた、最愛の彼女の子どもを抱き締めて、生気のない瞳を見て、なんとかせねばと頬を打った。
やっと焦点が合い、こちらを見る彼の目にはしかし、猜疑の色が浮かんでいた。
もう一度抱きしめた。きつく抱き締めて、彼女に誓った。
彼のことを見守り続けることを。今度こそ、力になってやりたいと。たった一人になってしまった彼を、一人にはもうしまい。
―それから7年、彼女の一番はじめの子は成長し、幾多の困難を乗り越えて、国を取り戻し、その肩に重責を背負っている。今、その傍らには彼の選んだ、とんでもなく元気な少女がいて、2人は仲睦まじい。
― 平和だ。
そう実感する度にルーディは、彼女と一緒にこの光景を見たかったと、こみ上げるその思いを、静かに飲み込んでいる。
(終)
ルーディはリヒャルト母に、息子をよろしくと、多分頼まれていたんじゃないかと思います。
今回の話は、それがルーディにとってとても大切なことだったんじゃないか、そう考えて書きました。
短文ふたつ、いつもとは全然違う感じの文なので、アップするの大変ドキドキいたします(笑)
こちらもよろしければ、コメントや気持ち玉でご反応いただけますと勉強になります!
それではいざ、シアランに行ってきます(笑)
さて、シアランに旅立つ前に、今回の『禁断の恋の手記』というタイトルから妄想した文を書き逃げします!ツイッターのほうに一週間ほど前に呟いたものに、加筆修正をしたものです。また、リヒミレのラブラブ話ではありません。フィデリオさんの話です。
『フィデリオのある日の日記』
木を見上げ、眺めてから、その令嬢は指先を枝に伸ばした。緑美しい季節、赤い実に戯れようとしている姫君。
それは実に絵になる美しい光景で、思わず見とれた俺は、照れ隠しとそんならしくないことをさせられた意趣返しに、声をかけた。
「それは食べられませんよ」
気取った貴族のお姫様なら、そんなつもりではないと怒っても無理のない言葉だった。それなのに、彼女は花開くような笑顔で振り返った。
俺は思わず、息を飲んだ。
陽光に金の髪が透けてきらめき、その髪に縁取られた、愛らしい顔立ち。瞳はシアランの海の色で、そこには心からの親愛の情が浮かんでいる。何よりも、生き生きとした笑顔が、いつも見ているような澄ました貴族のお姫様と全然違っていて、鮮烈だった。清らかで、あたたかくて、心がすっと軽くなるような。
けれども、その笑顔を見られたのはほんの少しの間だった。
俺を見つめた彼女は目を見張ると、表情が見る間にこわばり、俺が動けずにいる間にさっと風の妖精のように走り去ってしまった。そう、彼女はまるで春風だった。
落ち着いて考えれば、彼女の正体はすぐに分かった。けれども俺は、一瞬本当に妖精に会ったのかと思った、その印象と衝撃を今もぬぐい去れずにいる。
それほど無邪気で愛らしく、それでいて透明感のある少女だった。
彼女こそ、アルテマリスから来た、従弟の婚約者だ。彼女のような姫がエセルの相手で良かったと、そう思う。
それ以上は考えまい。
(終)
……と、いうことで、フィデリオさんとミレーユが出会った前巻のシーンで、もしもフィデリオさんがミレーユに懸想していたら!?という設定で妄想してみたのですが、い、いかがでしょうか…?
もう一つ、ふと思いついた超短文も載せておきます!すみません、今回の更新全然甘くなくて……。これもリヒミレではありません。
『約束』
初めて会ったその瞬間、一目で虜になった。何故かと言われればいくらだって彼女を賛美できるが、理由なんてただの後付けに過ぎない。
ただただ、その人に憧れた。その人のようになりたいと思った。
彼女の言葉通り、彼女に子供が産まれたら、絶対に仲良くなるんだと、絶対に力になってあげるんだと、子供心に誓った。
けれどもそれから13年経ったあの日、彼女の最初の子供である彼は、とても傷ついていて、誰も信じようとはしなかった。
政変の知らせを受けて、コンフィールド側では彼を必死で探した。
大怪我をしてやっとコンフィールドまで逃げ延びてきた、最愛の彼女の子どもを抱き締めて、生気のない瞳を見て、なんとかせねばと頬を打った。
やっと焦点が合い、こちらを見る彼の目にはしかし、猜疑の色が浮かんでいた。
もう一度抱きしめた。きつく抱き締めて、彼女に誓った。
彼のことを見守り続けることを。今度こそ、力になってやりたいと。たった一人になってしまった彼を、一人にはもうしまい。
―それから7年、彼女の一番はじめの子は成長し、幾多の困難を乗り越えて、国を取り戻し、その肩に重責を背負っている。今、その傍らには彼の選んだ、とんでもなく元気な少女がいて、2人は仲睦まじい。
― 平和だ。
そう実感する度にルーディは、彼女と一緒にこの光景を見たかったと、こみ上げるその思いを、静かに飲み込んでいる。
(終)
ルーディはリヒャルト母に、息子をよろしくと、多分頼まれていたんじゃないかと思います。
今回の話は、それがルーディにとってとても大切なことだったんじゃないか、そう考えて書きました。
短文ふたつ、いつもとは全然違う感じの文なので、アップするの大変ドキドキいたします(笑)
こちらもよろしければ、コメントや気持ち玉でご反応いただけますと勉強になります!
それではいざ、シアランに行ってきます(笑)
この記事へのコメント
そして、新刊読む前にこれアップしておいて良かったです。読んだあとだとこんなふうにフィデリオは書かなかったと思うので…!
あ!気持ち玉ありがとうございます!嬉しいです!
2本立て…ファンとしては凄くお得感満載で嬉しい限りです~♪
振り向いた瞬間のミレーユのリヒャルトにしか見せない微笑みは、さぞかし可愛いらしかった事でしょう(≧∇≦)詩的な感じの日記がシアラン王家の証なのでしょうか( ̄∀ ̄)
まさかのルーディ話にビックリしました!ある意味、謎の多いキャラですよね(笑)一途な一面を垣間見て、なんだか納得しました!(b^ー°)
私も昨日、新刊をゲットしてシアラン滞在中で~す\(^ー^)/
しっとりとした2作品拝読させて頂きました。
とても、とても素敵な作品です。
フィデリオさまの日記、あり得そうな気がします。新刊で、指輪を持ってぼーっとしてる場面ありましたよね!?(うる覚えですが…)どなたかに懸想してるのかしらね?
ミレーユの表現が素敵です♪
ルーディの回想…いつもは賑やかな感じですが、彼?彼女も辛い時を乗り越えてきたのだなと感じさせられるお話でした。
お話の幅が広がってますますファンになりました♪♪
はじめまして!いつも楽しませていただいています(^O^)
新刊を読んでフィデリオ大好きになりそうな気がものすごくしてる私は日記を読めてうれしいですv
たくさん活躍するといいな~
フィデリオの小説もっとこれから読みたいですね♪
これからも頑張ってくださいm(_ _)m
2本立てのお話、楽しく読まさせていただきました。
フィデリオ目線のお話、良かったです。
これから、いろいろと波乱を呼び込みそうなフィデリオ様。
あまりにもありえそうで、思わずふんふんと思いながら読んでしまいました。
ルーディー自身、謎が本当に多いひとだけれど、
確かリヒャルトの母親に申し訳ないとか、
個人的によく知っているような口調で言っていたこともあったから、本当になるほどと思いながら読んでしまいました。
楽しいお話、ありがとうございます。
お返事遅くなりました!
またもや二本立てでお茶を濁してしまいました。
いつもの甘さを意識した文ではないので、ちょっとドキドキしたのですが、こういう文も受け止めていただけて嬉しいです。
フィデリオさんは、新刊(花嫁修行3)を読む前に書いたので、今だとまた違う感じの日記が書けるかもしれません。(例のあのシーンとか!)またフィデ日記シリーズ書いてもいいですか?
ルーディは完全なる妄想です。いつも元気な人の、秘めたる過去とか、王道ですが結構好きで…!
コメントありがとうございました!そういえば、タイミングを逸してしまっていたのですが、リンク貼らせていただてもよろしいですか?
お久しぶりです!ご無沙汰してしまっていて申し訳ありません。お変わりありませんか?
>とても素敵な作品
わわわ、過分なお言葉、恐縮です。でもあがとうございます!今まで身代わりでは書いてない雰囲気たったので、私も新鮮な気持ちで書き上げました。
フィデリオさんは、どなたにあの指輪を捧げたいのでしょうか?サラさんなら切ないし、エルミアーナ様とは接点が今のところないし、謎多き方ですよね。新刊出たばかりなのに、すでに続きが気になります!
>ますますファンになりました
・・・・・・・・!!!!!(声にならない衝撃)
す、すみません、あまりにうれしくて固まってしまいました。わーん、私こそ、手先の器用なSoguno様を大尊敬しております!
今後も仲良くしてくださいませ!あと、リンクを「菜の花色」のほうにも貼らせていただいてもよろしいですか?
初めまして!ご訪問とコメント、本当にありがとうございます!
フィデリオさんは衝撃的なキャラでしたね!この文は、前巻のちょっぴり登場したシーンしかもとにできずに書いたので、今度もしもまた新刊読んで得たイメージをもとに、またフィデ日記を書きましたら、ぜひまたいらしてください!お待ちしています!
こ、更新が気まぐれかつ亀の歩みで、「いつ」になるかの予告ができす、申し訳ありませんー!
ご無沙汰しております!コメントありがとうございます!
フィデリオさんは、謎多き人ですし、何か含むところがありそうですし、今後の動向が非常に気になりますよね!
個人的にずーーーーっと気になっているのがルーディとリヒャルトの関係です。アルテマリスにリヒャルトが来るよりまえに面識がありそうですよね。だとすると、政変前か、政変後の逃げ延びている最中にある程度関わっているはずです。それに、リヒャルトの母親がルーディに「頼まれ」ごとをしているとしたら、やっぱり政変前に、少なくともルーディと母親は面識があるし…。
などなど、一晩妄想してできたのが2話目です。
実は、相馬自身はこっちのルーディの話の方が気に入っています(笑)
多分2月中に一回は更新するつもりですので、よろしければどうぞまたいらしてください。
度々失礼しますm(__)m
リンクのお話、う、嬉しいです(≧▽≦)ゞ
どうぞ宜しくお願いします♪
お時間のある時でかまいませんから!
まだまだお恥ずかしいくらい少ないですが、ぼちぼちと増やしていく予定です!
こちらこそ、これからも宜しくお願いします♪♪♪
どちらのお話しも大変好きなのですが、ルーディとリヒ母の話って多分どなたも書かれていないと思うのでその目のつけどころにうなりました。
ルーディが真剣にリヒを思う気持ちがよくわかりました…と同時に、どこでどうなって隙を見ては一緒の寝台にもぐりこみ、「寝ぼけた時がチャンス」とか言うようになったのか大変気になります。ギャグ…?それとも……?(笑)
毎度ながらコメントなんだかなんなんだかわからないコメントですみません。
リンクのご許可いただき、ありがとうございます!実はパソコンを買い換えて、まだ設定してないので、今月中を目処にリンクを貼らせていただきます!
コメントありがとうございます!お返事遅くなりました!
>ルーディとリヒ母の話
身代わりは王道カプが好きですが、実はたいていの場合、脇役を偏愛する癖があるのですwかなり書きたかったので満足です!
>「寝ぼけているときがチャンス」
満足です!…と言いつつ、まみみさまのこのご指摘から、またもや一つ書けそうなのですが、果たして需要はあるのでしょうか?
(以下新刊ネタ含みます。未読の方はお気をつけて!)
需要と言えば、相馬はぼちぼちルドシーとかも書きたいです。…はっ!違う!この場合シールド!?いやでも、ノマカプでもシールドでいいんでしょうか?シー→ルドっていう表記が一番正しい記がしますが。。。
あと、またフィデリオ日記で「ぷにぷに」話とかも書きたいのですが、若干、一見BLに見えるのが難です。
そして今、一番悩んでいるのが、身代わりで本当にBLを書いてみたいとか…。護白とか団副とか(一応わかりんくく漢字で伏せてみる←)
どこにアップすればいいのかという問題以前に、それ禁忌なんじゃないかと…。まみみさまをはじめ、皆様どう思われますかー・・・?
長々とよく分からない返しをしてしまってすみません!
ど、どんな話が…?!と大変どきどきしてお待ちしております!あ、ついったとかでも構いませんので!
シー→ルドとかも楽しそうですよね。わたしが書くと絶対ギャグになりますが(笑)。堅物三十路の動揺っぷりとか。それを見守る弟妹とか。あはは。
フィデリオぷに話も大変面白そうです!しかし彼…秘密に気づいたらどんな反応するんでしょうかね。そこを読むのも楽しみでなりません(*^o^*)
身代わりびーえるは…どこかよそさまのサイトで書いてらっしゃる雰囲気は見たことあるので(←読んではいない)それなりに需要はあるのかなあと。ですから禁忌、ということでもないのでは?
わたしはどちらかというと、ミレーユが別のひととくっつくパターンの話の方が、受け入れにくいです……(>_<)
長くなりましてすみません!
「護白」が素でわからないまみみでしたっ。
(ジャ○プの)BLEACHかと思ったです(^_^;)
お恥ずかしい限りのブログですがリンクしていただけるなんて、とっても嬉しいですっっ(≧∇≦)
相馬さまの書かれるお話なら全てWelcomeですっっ!!中でもシー→ルドはかなり読みたいです(*^o^*)